二つのオールドローズ。


UPDATE 2020-05-12

今の作業は、とりあえず水を切らさないことが大切ですが、

次に大切なのが開花前の消毒でしょう。せっかく咲き出そうとしているのに、病気が出てしまったり、害虫被害にあうと、今までの努力が台無しですね。まつおえんげいでも今朝消毒をしました。

もちろんオーガニック栽培をされておられる方には必要ないと思いますが、どうしても防ぐことの出来ないものには薬剤の力を借りることも必要でしょう。

害虫退治のベニカRと黒点病とうどんこ病予防のサルバトーレを散布しました。

定期的な薬剤管理は薬剤のローテーションをきちんとすることで力が発揮できます。

同じ薬剤を連続使用すると、害虫は抵抗性害虫(全ての害虫に出来るわけではありませんが)が、病気の菌は薬剤耐性菌が生まれてしまいます。成分の異なる薬剤を何種類か使い分ける習慣をつけましょう。

詳しくは、ユーチューブ「ガーデンチャンネル」で。

 

気持ちよさそうなバラ!やる気満々です!

 

最近よくお聞きするのが「青いバラが欲しい」と言うお言葉。

青バラのさきがけともいえる、

ミスティパープル

2003年に発表された、河本純子さん作出の青系のバラ、革新的な作品です。女性育種家ならではの優しいフリルのかかった花は

房になって軽やかな香りを振舞いて咲きます。花保ちが良くて切花でも楽しめます。

     

棘の少ない半直立気味の樹形で、細めの枝には棘が少なくて扱いやすいバラです。

シュートは出にくいので古い枝も大切にし薬剤管理は定期的に行ないたいバラですが、このバラの魅力はいつまでたっても衰えることがありません。初心者の方でも、鉢植えで長雨などに当てないように管理すれば十分育てる事が出来ます。葉の出始めは丸くなっていてよく、病気では?と勘違いされますがこれがこのバラの特徴ですので安心してください。

今の株の様子です。

 

似ているけれど違うバラ。

オールドローズ・ブルボンローズの系統です。

ルイーズオジェ

が咲き始めました。

1851年に作出されたバラです。強いダマスク香のローズピンクのカップ咲き、返り咲き性が強くて秋まで伸びた枝先によく花をつけます。

樹形は半直立ぎみのシュラブ樹形で散開状に広がるように伸びるので小さめの壁面やフェンス等によく合います。

葉は丸みを帯びていて浅緑色で枝は細くて誘引しやすく、とても扱いやすい品種です。

やや横に広がる性質を生かして、幅120センチ×高さ2メートルの壁面に咲かせています。

今の株の様子です。

 

ラレーヌビクトリア

こちらも古く1872年作出のバラ、ルイーズオジェとの違いは、花のカップの具合が深く、よりコロンとした感じです。香りは同じくダマスク香です。

大きな違いとしては樹形です。こちらはすらっとし直立樹形で、枝は細くて柔らかく棘は少なめ、葉は細長いところ。

シュートは折れやすいので伸びてきたら支柱を忘れずに。

まつおえんげいでは、このように幅広のバラアーチに直立に沿わせるように上らせています。

冬の剪定で切り込んでもよく咲く性質を使って、短い枝から長い枝まで色々なサイズの枝を沿わせて下から上まで咲かせています。

   

これくらいの高さなら、少しの高さの踏み台で誘引できますね。

いずれもマットで優しい葉とカップ咲きの花から香るオールドローズの香り。性質を理解して使い分けたい二つのバラでした。

是非育てて頂きたいバラです。

「はしごの要らないツルバラ」